いよいよ先月の税務関連手続き業務からマイナンバー制度が導入されました。具体的には法定調書の作成事務にかかるマイナンバーの記載ということになります。
大きく変更となる点としては、会社で取引先事業者の方のマイナンバーを取り扱うことです。当然、その管理の責任が付帯されてきます。年末調整事務手続きにおいては、従業員のマイナンバーを収集し、管理していくことになりますが、法定調書事務においては、取引先の個人事業主を対象としたマイナンバーを確認していく必要性が生じ、これまでにはなかった特殊な感覚を覚えることでしょう。個人事業主の中には、弁護士、税理士、司法書士といった士業従事者の他、デザイナー、翻訳家、プロデューサーなどの業種、あるいはジム所の大家さんといった方々までその対象者は広がります。
今後は、個人事業主との取引開始段階からこのマイナンバーのことを意識して契約や発注をしていく必要性が生じます。そして事業主である会社側のポイントとしましては、本人確認をすることが挙げられます。すなわちマイナンバーカードあるいは通知カード+運転免許証のセットでマイナンバーが本当に本人のものであることをチェックするということです。多くの個人事業主はマイナンバーの提示慣れが進んでいくと思いますが、一部の事業主の方には抵抗があるということもあるでしょうから、この点気をつけておけると良いと思います。
それから、個人住民税の特別徴収制度についても言及しておきますと、次年度となる29年度より役員、従業員の住民税を原則、会社が給与から天引きして支払う手続きに切り替わります。例外が以下のケースになりますから、この点を確認しておけると良いでしょう。
① 事業所全体の従業員総数が2名以下
② 事業専従者(個人事業者の場合)
③ 退職者または退職予定者(5月末日までに)
上記から3名以上で会社を運営している場合には、各従業員の住民税手続きを会社が代行することになります。その際に、10名未満のケースでは、毎月払いではなく、半年払いにする申請もできますので、従業員の住所の区市町村に書類を提出して適用していくことも要検討事項でしょう。
(2017年1月)