先月から今月にかけては実際の相談実務が通常より立て込んでまいりました。具体的には、相続税の申告、分割協議書の作成、相続税の試算、生前贈与の提案、生命保険の活用、遺言書の作成などに加えて後見制度と信託のしくみについての概要解説という項目になります。
どれも相続の対策という枠組みになるものではありますが、各々独立しており固有の論点ともなります。このあたりが相続の設計は十人十色であるといわれる所以ではないかと感じるのです。
実際に相続税のみで考えると、きっちりとした対策を施していけば相当な税額が節約できるものです。しかしながら相続税の節税のみで進めてよいという案件は実際にはあまりないのが正直なところでしょう。
以前からの設計のテーマは生存中にしっかりと消費するということです。消費には物品やサービスの購入のほかにも、贈与や寄付なども含まれますし、投資も然りです。
ここの軸がないとなかなか方針が定まらず対策も講じられないような気がします。自身のためにお金を使って、充実した生活を通して、周りの方との接点も持ち続けることにより何かを遺せれば良いのではないかと思うのです。
当然、家族や子供、相続承継人がいるというケースもあるでしょうから一概には言えませんが、どのような方であっても自分自身のためになる使い方をしていくということには変わりないのではないでしょうか。
今月は個別案件をまとめられるように動いていく次第です。
(2017年5月)