今回は営業レバレッジについて考えてみます。営業レバレッジは次の計算式で表されます。
営業利益の増減率÷売上高の増減率
算式では意味がわかりにくいですが、概念としては経営者である社長にとっては非常にすっきりできる項目であると思います。営業レバレッジとは、売上高の変動に応じた利益への影響度合いを示しています。つまり、同じだけたとえば売上が200万円上昇したとしても、片方では利益が100万円の増加となり、もう一方では利益が150万円も増加するケースがあるということです。この利益50万円の違いが何かということですが、固定費と変動費率の相違から導かれるものであり、ビジネスモデルの相違とも言い換えられます。
外注取引先を多く活用して、自社スタッフを極力少なくすれば固定費が縮小され、売上の大きな変動に対して財務的に対応しやすく、つまり大きな赤字になりにくくなり、ほとんど外注業者は活用せず、社内で複雑な業務までこなしていくというスタンスであれば従業員が増えることにより固定費が大きくなり、売上が大きく下がってしまえば前者と比べて大きな赤字となる可能性が高まります。
この体制の相違から導かれるのが営業レバレッジといえます。売上が大きく増加していく見通しであれば、外注先を使わずに社内で完結できるほど、利益が大きく伸びていくという図式になります。逆に売上が増加していく局面において外注比率が高いモデルでは、外注比率が低い会社に比べて最終的な利益が少なくなっていきます。
(2017年1月)