会社の経営について考察する場合、自社の強みに着目するSWOT分析が役立ちます。一般的に使われている手法であり、単純明快な考え方で中身はそれほど難しいことはありません。
Sは強みであり、対極はWで弱みです。中小企業ではほとんどが、Sが独自の技術やノウハウといった項目であり、Wは資金力、資本力といった項目が挙げられます。
自社の強みに着目するというのが最大の特徴であり、弱みにはほとんど目を向けることはありません。当然、資金や人材などの経営資源は大企業に比べると限られている中での競争という前提があるからと言えます。
強みは、自社でははっきり認識していなかったとしても、客観的な視点からはくっきりと浮かび上がって見えるものであるくらい、わかりやすいものですべての会社が持っていると言って良いものです。
そしてその強みを、機会となるOに向けて積極的に投下していくという方針につながっていきます。機会とは、たとえば団塊世代の高齢化といった人口動態であったり、政府の政策であったり、景気の動向といった市場全体の自社ではコントロール不能のものを指します。
機会に対するTは脅威となり、たとえばライバル企業の市場参入であったり、不景気となる要因であったりと、自社にとって望ましくはない環境のことを指します。
ここで注目すべきは自社の強み(S)を見つけて、市場の機会(O)に思い切ってぶつけていくという勇気であると言えます。収益、利益をもたらすのは弱みを減らすのではなく、強みを伸ばすことであり、脅威に備えるだけではなく、ビジネスチャンスに打って出ることであるという思考がSWOT分析であります。
そのようにして分析してみるとまだまだ打つことが出来る対策は眠っていることと思います。
(2018年8月)