以前出版された書籍でストーリーの経営戦略で示されたとおりですが、経営は一つの物語であると言えます。これもよく耳にする言葉ですがV字回復なんかもどん底まで落ちた後のストーリーであると言っていいと思います。
逆に言うとストーリーの主人公としてどっぷりと浸かって楽しむことができるというのが経営ではないでしょうか。会社の一社員であってもいろいろなストーリーが用意されていることでしょうが、経営となるとそのストーリーのなかでのブレ幅は一層大きく、波乱万丈になります。そのような大きな波や小さな波に一喜一憂するのではなく、楽しんで乗るという気持ち一つで全く異なるものになると言えるものです。
このような多様な変化における時間の経過がストーリーになるのでしょうが、失敗があっての成功というのもこの範疇に含まれます。度重なる失敗の先に成果となる成功が用意されるのも、正にストーリーということです。人間万事塞翁が馬も然りです。
そのように考えると会社のストーリーに着目することは経営に携わる者にとっては切り離すことができない要素となります。アスリートの世界でも同様で、ライバルのチームなり選手とのストーリーがあって俄然面白くなるものです。
よって経営はストーリーであるというのは真理をついていると思うのです。一社一社のストーリーを大切にしていきたいものです。同時に感じることは、融資を担う金融機関はなかなかこの目線での着眼がないところであり、特に中小企業の安定的な発展に対する危険性を孕んでいる要素に通じるところではないかということです。
ストーリーは相手が興味をもってくれないと訴えても聞いてもらいにくいのが弱点となることも真理であると思います。
(2019年1月)